事業内容

  • 教育セミナー
  • メディカル・コーチング・トレーニング・コース
  • 新生児集中治療の臨床研修
  • 西オーストラリア大学への短期留学
  • 胎児生理学研究

メディカル・コーチング・トレーニング・コース (MCTP)

コーチング理論に基づくMCTPを約6ヶ月かけて継続的に実施します(株式会社コーチ・エィに委託)。トレーニング実施前後に、受講者と職務上関わりのある協力者からの評価をフィードバックすることによって、その教育的効果が高まることが期待されています。

国際コーチ連盟のプロフェッショナル認定コーチが電話回線を利用したインタラクティブな学習スタイルのトレーニングを行い(1回60分×28回で構成されたカリキュラム)、各受講者に専属のコーチが「1 on 1コーチング」で継続的にサポートします(2週間に1回30分、最大12回)。

MCTPの終了後、認定メディカル・コーチの受験資格が得られます。

感想文

東北大学病院 産科:齋藤 昌利

この度、新生児科指導医養成事業の一環として認定メディカルコーチのカリキュラムを無事に修了し、資格を取得することができました。

このコーチングカリキュラムを受講する前は、はっきり言って「うさん臭い」感じを拭え切れない自分がいました。しかしながら、実際にカリキュラムを通して、自分自身の中にぼんやりとあった「指導論」的なものがクリアになり、実際の職場でもスムーズに後輩と仕事ができるようになりました。

今後も、今回の取得に際して学んだ内容を職場のなかで実践していきたいと思います。

東北大学病院 産科
齋藤 昌利

東北大学病院 総合周産期母子医療センター:埴田 卓志

新生児科医指導医養成トレーニングの一環として2015年7月より約半年間にわたってコーチングのトレーニング講座を受講し、認定メディカルコーチの資格を取得しました。コーチングとは人材開発の技法の1つで、対話によって相手の自己実現や目標達成を図る、すなわち相手の話をよく聴き(傾聴)、感じたことを伝えて承認し、質問することで、自発的な行動を促すというコミュニケーションのやり方です。“自発的に”目標達成を図る方法を導くこの方法は、従来考えられてきたリーダーとしてのあり方、すなわちアドバイスをする、やり方を指示するといった指導法とは一線を画しており、組織を活性化するためにリーダーが求められる技術として近年注目を集めています。

今回のコーチングトレーニングは、(1)担当のラーニングコーチとの個別セッション、(2)オンラインクラス、(3)ステークホルダー(コーチを受けるクライアント)のコーチングセッションの3つで構成されていました。(1)では、自らのコーチングトレーニングについて、プロのラーニングコーチからコーチを受け、(2)では、10-15人程度の参加者と一緒に電話会議システムでコーチングのトレーニングを受け、(3)では、(1)、(2)で習得した技術を中心にステークホルダーに対してコーチングを実践します。それぞれの構成で興味深かったのですが、私が特に面白いと感じたのは(2)のオンラインクラスです。

オンラインクラスでは一人のラーニングコーチがついてコーチングのトレーニングをするのですが、毎回のようにクライアントやコーチの役が回ってきます。トレーニング開始当初は相手の背景も分からない状態でコーチングの知識・技術も未熟なため、とてもたどたどしいものだったと思います。しかし、徐々に参加者の技術が上昇してくるにつれて、クライアントの考えを引き出す技術(話術?)が活躍し、クライアント側も承認される満足感を体験して言葉がよく出てくるという体験が出来ました。また、オンラインクラスは特にメディカルコーチのみを対象としたクラスではありません。むしろ、参加者のほとんどが一般企業の管理職の方々で分野も工場管理から人事、マーケティングなど様々で年齢層も(役職や声から判断すると恐らく)40-50歳代の先輩にあたる方が中心でした。そのため、今まで関わりのない分野の先輩方の考え方や指摘を聞くことが出来るのも新鮮な経験でした。

今回、半年間のコーチングトレーニングと資格試験によって認定メディカルコーチ資格を取得しましたが、もちろんこれだけで十分なコーチングができるリーダーになったとは考えていません。しかし、今回学んだ技術を活用していくことで、よりよいチーム医療を実践し組織の活性化に繋がっていくのではないかと期待しています。

最後になりますが、このような貴重なトレーニング並びに資格取得をサポートして頂いた新生児指導医養成事業の関係者に皆様に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

東北大学病院 総合周産期母子医療センター
埴田 卓志

東北大学病院 総合周産期母子医療センター:北西 龍太

この度私は新生児指導医養成事業の一環として、メディカルコーチングの資格を取得するべく、コーチエイという会社のオンラインクラスでコーチングの授業を受講しました。コーチングとは直接知識や技術を指導するものではなく、問題解決のために相手に質問し、話させることで相手自身に目標設定させ解決方法を気付かせることで解決に向かわせるコミュニケーション技術です。授業は主に3種類あって、1つは1人のコーチの元グループでコーチングのスキルについて授業を受けるもの、2つめはコーチエイのコーチから受けるコーチング、3つ目は自ら選んだ相手に自分でコーチングを行うことでした。コーチングは相手の話をよく聞き理解し、相手に適切な質問をすることで初めて成り立つので、そのスキルの獲得は患者さんのご家族への病状説明や外来診療で非常に役に立つと感じました。また、グループで受ける授業では多くの他職種の方々とご一緒することが多く、その方々の仕事の内容や考え方などが垣間見えて非常に興味深いものでした。さらにメディカルコーチの資格も取得できてとても感謝しています。このスキルを今後の診療に役立てていきたいと思います。

東北大学病院 総合周産期母子医療センター
北西 龍太

東北大学病院 総合周産期母子医療センター:渡邊 真平

組織の活性化には個々がやりがいを持ち、自主的に考え、それを発信し合うことが大切である。そういった環境を作り出すことは組織のリーダーとしてとても重要である。このたび認定メディカルコーチ取得プログラムにおいて、半年間にわたるグループ講義や実践の中で、相手に前向きになってもらい、目標達成に必要な知識や能力が何であるのかを自ら考えてもらうようなコミュニケーションについて多くの時間を割いて考えた。普段の何気ない生活では到底意識しなかったことで、とても良い機会になったと思っている。今後はチーム医療に不可欠なコミュニケーションを大切にし、チームスタッフが豊かな表情で診療に取り組める環境作りに貢献していきたい。

東北大学病院 総合周産期母子医療センター
渡邊 真平

東北大学病院 総合周産期母子医療センター:臼田 治夫

今まで生きていて数えきれない人と会話を交わし成長してきました。多くの失敗と成功を繰り返しながら自分なりのコミュニケーション能力というものを確立してきました。しかし、言葉や態度というものは時に自分の意図していない負の印象や影響を相手に与えてしまったり、自分の想像以上の良い影響を周囲にもたらす力をもっています。では、三十幾年いきていて、はたして、今の自分のコミュニケーションはどうなのだろうか?そんな疑問をもって臨みました。 今回このメディカルコーチ資格取得は昨年の夏からおよそ半年に渡り電話でのコーチ、講義、直接のステークホルダーとの対話を繰り返す形式で行われました。正直自動車教習並みに長かったです。

結果として、自分の何気ないふるまいが、どのような影響を他にもたらすかについて、客観的にみつめるための良いツールとなりました。私自身コミュニケーションスキルという言葉はなにかお互いの間に感情が通っていないようなわざとらしい気がしてあまり好きではありませんが、特に職場など結果が求められる社会での対話では、周囲に良い影響を与えるスキルとして時にはあえて意識的に使用する必要もあるかなと感じました。

今までの自分の経験と今回の資格取得で得た理論とをつなぎ合わせることで、よりよい後輩指導に役立てていけるように今後も精進していきたいと思います。

東北大学病院 総合周産期母子医療センター
臼田 治夫

横浜市立大学医学部循環制御医学教室 共同研究員:伊藤 智子

“コーチング” を学び、周囲を注意深く洞察すること、自分をコントロールして人をより良い方に動かし導くこと、により意識が向くようになりました。

自分の指導者が、どのような対応や声掛けをしたことで、自分のモチベーションがあがったか、下がったか、などを評価する習慣がつき、外来での患者診察の場や、職場で人への指導が必要となる場に生かせるようになったと思います。

同じことを成し遂げるにも、“一人でやるのか、誰かに助けをもらうのか”また、誰かの助けを得られたとしても、“気づきが得られるか、得られないか”で、達成までの道のりや目標の達成度も違ってきます。

多くの人や団体をより確実に、効率よく目標に導くことができる技術、技法を学ぶことができ、研修医を経て、これから指導医になっていくにあたり、非常に有益な1年間だったと思います。

横浜市立大学医学部循環制御医学教室 共同研究員
伊藤 智子