小児科専門医を目指す方へ - 目次

小児科専門医を目指す方へ

研修プログラム

研修施設

特定分野研修病院

宮城県立こども病院

宮城県立こども病院は「元気のでるファミリーホスピタル」を設計理念に、東北地方初の小児総合医療施設として2003年11月に開院しました。

27の診療科は大きく内科系(小児内科)、外科系(外科、脳神経外科など)、総合系(集中治療科、麻酔科など)に分けられ、医師総数80余名が在籍します。各診療科及び成育支援局など各部門の連携はスムーズで、様々な臓器障害や患者背景をもつ患者に対して、複数の診療科や部門の協力により集学的医療が行われています。呼吸サポートチームや栄養サポートチーム、緩和ケアチーム、抗菌薬適正使用支援チームなど、専門的な視点からの支援により診療のレベルアップが図られています。

病床数は241床、入院患者数は年間4,500名程度、1日平均外来患者数は380名程度(併科含む)です。

2016年に宮城県拓桃医療療育センターが移転・統合して一つの施設となり、リハビリテーションを含めた急性期から慢性期に至るまでの高度な医療・療育サービスを提供しています。2019年にはPICUを増床し、院外重症患者の迎え搬送やヘリ搬送による受け入れを拡充し、救急医療・集中治療体制を充実させています。また、県内外の重症心疾患患者のさらなる治療成績向上を目的として2022年には循環器センターが開設されました。

当院は、病院らしくない病院、入院中のこども達が家庭に近い生活ができる病院を目指して、病棟の個室を多くし、複数のプレイルームやファミリールーム、こども図書館、県立拓桃支援学校などの多様な施設を備えています。さらに、チャイルド・ライフ・スペシャリストや保育士などがこども達への様々な支援を行い、ハードとソフトの両面からこどもと家族を中心とした医療を提供しています。

研修プログラムとして、下記の各科研修を2〜6か月間単位で受け入れます。また、小児科専門医取得後のサブスペシャリティ研修においては、麻酔科(小児の周術期管理)も受け入れています。当院での研修は、専門性の高い診療スキルを学べること、それぞれのスペシャリティを持つあらゆる医師に相談できること、小児医療に詳しい多職種のメディカルスタッフとともにこども達に尽くせることが特徴と言えます。

消化器科

消化器・肝臓・栄養疾患に対する専門診療を行います。宮城県内の重症・慢性小児消化器疾患患者の多くが集中しており、県外からも難治例が紹介されるなど、東北地方における小児消化器診療の拠点となっています。2022年度の消化管内視鏡件数は257件(上部消化管112件、大腸51件、ダブルバルーン小腸54件、カプセル小腸14件、治療・処置26件)で全国有数です。スタッフ数*4名。

アレルギー科

食物アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患に対する専門診療を行っています。食物経口負荷試験は2023年度に1,047件を施行(延べ数)しました。重症食物アレルギー患者に対しての経口免疫療法や重症気管支喘息患者及び重症アトピー性皮膚炎患者に対する生物学的製剤による治療も施行しています。スタッフ数*5名。

腎臓内科

腎炎やネフローゼ、腎不全などに対する専門診療を行います。自治体の3歳児健診における検尿により紹介患者も増加しています。2022年度において、急性血液浄化は持続血液(濾過)透析13件、血漿交換3件を施行しました。また腎生検は23件施行しました。その他、腹膜透析患者の管理も行っています。スタッフ数*2名。

リウマチ・感染症科

診断時の鑑別も重なることが多いリウマチ性疾患及び感染症の専門診療を行います。リウマチ性疾患患者に生物学的製剤を積極的に使用しています。また、重症感染症や比較的稀な感染症、免疫低下状態の患者における感染症を扱います。さらに、様々な基礎疾患を持つ患者への予防接種、結核接触者への対応なども行います。スタッフ数*4名(リウマチ2、感染症2)。

(上記の4診療科は総合診療科として一般・救急疾患の診療も担当しています)

新生児科

病床数はNICU 12床、GCU・HCU 15床で運営されています。内科系・外科系合併疾患のある新生児を優先して受け入れており、2022年度の入院患者数は新生児病棟241名、産科病棟44名、一般病棟1名の計286名でした。同じく超低出生体重児12名、人工換気療法102名、手術件数85件などとなっています。スタッフ数*6名。

血液腫瘍科

白血病などの血液腫瘍に対する化学療法や造血細胞移植、及び免疫性血小板減少性紫斑病や好中球減少症、再生不良性貧血、血友病など血液・免疫疾患、血液凝固異常症に対する専門的治療を行います。2022年度の入院患者数は173名で、造血幹細胞移植は5例に施行しました。スタッフ数*5名。

循環器科

先天性心疾患をはじめとする、あらゆる循環器疾患に対する専門的治療を行います。病棟にはリカバリー室が新設され、さらに循環器センターが開設されたことで、多職種スタッフが協働する体制が組まれています。心臓カテーテル検査は年間300件を超え、なかでもASD,PDA治療デバイスによるカテーテル治療は東北唯一の小児認定施設となっています。スタッフ数*7名。

神経科

重症心身障害や発達障害全般に対する医療・療育、てんかんや神経感染症、その他神経筋疾患に対する専門的治療を行います。外来新患数は年間300~400名程度、入院患者数は年間600~700名程度になります。脊髄性筋萎縮症に対する遺伝子治療や、脳性麻痺及び痙性対麻痺に対する選択的後根切除術と集中リハビリなども行っています。スタッフ数*8名。

集中治療科

診療領域に関わらず、すべての小児重症患者の診療を行います。PICU 8床で運営されています。年間入室症例数は300名前後で、2022年度における入室契機は術後管理160名(86%)、呼吸不全35名(12%)、治療介入のうち人工呼吸管理182名(64%)、ECMOを用いた呼吸循環補助4名(1%)などとなっています。スタッフ数*6名。

*スタッフ数はすべて2024年度

地方独立行政法人 宮城県立こども病院

住所

宮城県仙台市青葉区落合4丁目3-17

電話番号

022-391-5111(代表)

担当者

梅林宏明(リウマチ・感染症科、総合診療科)