教授挨拶
菊池 敦生
東北大学小児科は1917年(大正6年)に創設され、2017年(平成29年)には100周年を迎えた歴史ある教室です。
私は2022年11月より第8代教授として就任しております。
これまでの教室の同窓会員は500名程度におよび、宮城県・東北地方の勤務医・地域の開業医をはじめとして臨床・研究を中心に多様な分野で活躍しています。小児科教室としては大学の使命である診療・教育・研究の各方面を高いレベルで提供することを目指しています。
大学病院では多様な専門分野(血液・腫瘍、神経、腎臓、新生児、内分泌、先天代謝、循環器)をもった小児科医が専門性の高い診療を外来や病棟(小児医療センター・周産母子センター)で提供しています。宮城県・東北地方の中核病院と連携した診療を行っているほか、地域医療への貢献も大学の重要な役割です。
これまでに教室出身者は数々の国際的に高い評価を受けた研究成果を挙げています。目指す研究の一例としては目の前の患者さんを起点として患者さんに還元しつつ、小児医療の進歩に寄与するような研究があります。これまでに知られていなかった疾患概念の提示や病態解明、あるいは新しい治療法の提案といった研究を推進し「病態を通じて生理を知る」(多田啓也第4代小児科教授)という言葉の重みを実感しています。
小児科を取り巻く状況は変化を続けておりますが、小児医療の高度化・専門化、また守備範囲の拡大などにより小児科医の活躍の場はますます広がっていくと考えています。この変化に対応するため、専門分野はもちろん「こどもの総合診療医」(一般小児科医)としても優秀な小児科医の育成を目指して、研修プログラムである「プログラム in MIYAGI」を用意しています。このプログラムは始動して10年が経過し、毎年多くの研修医が参加し東北大学と宮城県立こども病院や宮城県・東北地方の中核病院を中心に研鑽を積んでいます。求められる小児科医像の変化に合わせてプログラムの継続的な改善を進め、研修後多様な分野でこどもの健康を見守り未来へ導く小児科医を育てます。
よりよい小児医療の実現のため、多くの皆さんのご参加をお待ちしております。
菊池 敦生