臨床の概要
 小児の循環器疾患すべてを対象としています。臨床研修は、大学病院と宮城県立こども病院循環器科の2施設をローテートし、宮城県内で手術が必要な心疾患患者のほとんどを経験する事ができます。心室中隔欠損症や心房中隔欠損症といった単純心奇形から、肺動脈閉鎖症や完全大血管転位症などの複雑心奇形まで、心エコーや心臓カテーテル検査による診断、術前術後の内科治療およびカテーテル治療を施行しています。その他、不整脈や川崎病、心筋炎、心筋症などの診療も行っております。
 更に重症呼吸不全や重症心不全に対する補助循環(経皮的心肺補助、補助人工心臓など)の管理も行い、重症患者の集中治療を経験することができます。また成人期に達した先天性心疾患患者は年々増加し、未手術、根治術後に関わらず心不全や不整脈などの合併症、加齢、妊娠出産、冠動脈疾患など様々な問題を抱えた患者が増加しています。2010年10月より心臓血管外科、循環器内科と連携し成人先天性心疾患外来を開始し、先天性心疾患患者の長期の経時的観察を行っています。
 当科では小児循環器医としての経験を幅広く積むことが可能であり、専門性を身につけていただきたいと考えております。
研究の概要
小児循環器疾患に関する基礎的研究として、心臓発生における心筋細胞の増殖や分化にかかわる分子生物学的な解析を学内や学外の研究施設と連携して取り組んでいます。先天性心疾患を有する家系において遺伝子解析も行っています。
主な参加学会
日本小児科学会日本小児循環器学会日本循環器学会日本成人先天性心疾患学会日本JCIC学会
メンバー構成
●大田 千晴 (小児環境医学分野教授、H12年卒、日本小児科学会専門医、麻酔科標榜医)
●岩澤 伸哉 (助教、H20年卒、日本小児科学会専門医、日本小児循環器学会専門医)
●星 菜美子 (特任助手、H25年卒、日本小児科学会専門医)
●鈴木 大 (大学院生、H20年卒、日本小児科学会専門医)
●矢尾板 久雄 (大学院生、H22年卒、日本小児科学会専門医、日本小児循環器学会専門医)
 
●小澤 晃 (宮城県立こども病院、H2年卒、日本小児科学会専門医、日本小児循環器学会専門医)
●木村 正人 (宮城県立こども病院、H15年卒、日本小児科学会専門医、日本小児循環器学会専門医)
●新田 恩 (宮城県立こども病院、H15年卒、日本小児科学会専門医、日本小児循環器学会専門医)
●川合 英一郎 (宮城県立こども病院、H16年卒、日本小児科学会専門医、日本小児循環器学会専門医)
●大軒 健彦 (宮城県立こども病院、H19年卒、日本小児科学会専門医)
●黒田 薫 (宮城県立こども病院、H29年卒、日本小児科学会専門医)
●八木 耕平 (宮城県立こども病院、H29年卒、日本小児科学会専門医)
 
●田澤 星一 (仙台赤十字病院、H13年卒、日本小児科学会専門医、超音波専門医)
●松木 茂伸 (東北公済病院、H15年卒、日本小児科学会専門医)
●川野 研悟 (仙台市立病院、H17年卒)
●宮森 拓也 (山形県立中央病院、H28年卒、日本小児科学会専門医)
●佐藤 大二郎 (静岡県立こども病院、H28年卒、日本小児科学会専門医)
入局してこられるかたに望むこと
宮城県立こども病院循環器科と連携して研修を行っておりますので、宮城県内における小児循環器疾患のうち、ほとんどの重症心疾患の臨床経験を積む事ができます。心臓に興味のある方ならどなたでも歓迎いたします。