広い岩手県の中心部である盛岡広域医療圏の「砦」として、小児内科全般に広く通じ、急性期疾患を中心に慢性疾患にも対応しています。
新生児科の紹介
当院は診療科の数が29と多く、医師数は200名を越え、急性期病院としての総合力は申し分ありません。病院全体としての病床数は685床で、そのうち小児科としての病床数は22床です。2023年度の小児科外来患者数は9635人、紹介患者数は676人、時間外患者数は1882人、救急車搬送数は145人で、新入院患者数は770人、平均在院日数は4.9日、新入院患者に占める救急からの入院患者は64%でした。小児救急の特徴としては「小児輪番」システムがあり、盛岡市内の3つの病院が輪番制で夜間休日の二次救急を断らずに対応するもので、当院はその中心的病院として大きな役割を果たしています。呼吸器感染症、消化管感染症、アレルギー疾患、痙攣、川崎病、不明熱等急性期疾患が入院の大半を占めます。小児神経外来は東北医科薬科大学から毎週てんかん専門医の先生を派遣していただいています。病児新生児は在胎31週以上を受け入れ基準にしています。年間分娩数(2022年度)は355件でした。小児科医師数は年度によって若干変わりますが、7~8名です。血漿交換や脳低温療法、心不全等の重症小児患者については岩手医大へ搬送しています。県庁所在地の公立病院であり、背景の複雑な妊産婦さんが多いため、生まれてきた子が健やかに育っているかどうか定期的に見守り、必要であれば自治体や児童相談所と情報共有しています。
小児外科常勤医が2名いるため、協力して診断治療を進めることができます。整形・泌尿器科・耳鼻科・眼科・皮膚科・形成外科等、他の外科系の小児対応にも協力しています。東北大系列の診療科と岩手医大系列の診療科とは約半々で、各大学のやり方をベースにしつつUターン医師やIターン医師が混ざることで、自己の慣習を決して常識と信じ込まず、学会ガイドラインや国内外の最新知見に基づいて診療を進め、切磋琢磨しています。以上、小児科のプライマリ研修として必要十分な症例を経験できると思います。
専門研修の紹介
Common diseaseを中心に、新生児や予防接種・乳児健診、腎臓内分泌、急性脳症などさまざまな領域の診療を担当していただきます。入院患者対応は2チーム制です。病棟カンファランスと新生児カンファランスが毎週あります。時間外労働の上限について小児科はA水準を適用しており、当直明けの午後はできるだけ帰宅を促す雰囲気になっています。日本小児科学会の地方会は宮城と岩手の両方に参加できます。学会旅費は限度がありますが支給されます。小児科専門医試験受験に必要な論文の投稿先雑誌として、岩手県立病院医学会雑誌が恒例になりつつあります。
初期研修医・小児科専門研修医へのメッセージ
ニューヨーク・タイムズ紙「2023年に行くべき52カ所」に盛岡市が選ばれ、たくさんの旅行客が訪れ注目されています。当院は地域病院としての役割と中枢病院としての責任があり、大変ですが誇りでもあります。必ず実のある研修になるはずです。一緒にこどもたちを支えていきましょう。
岩手県立中央病院
住所
岩手県盛岡市上田1丁目4番1号
電話番号
019-653-1151(代表)
担当者
西野 美奈子