東北大学小児科専門医育成プログラム プログラムinMIYAGIパンフレット

研修責任者 菅野 潤子 研修責任者 和田 陽一 内分泌 先天代謝異常 グループのアピールポイント 内分泌グループでは、小児の「成長」と「性徴」に関わる様々な疾患の診療に携わっています。先天性甲状腺機能低下症と先天性副腎皮質過形成症は、 マス・スクリーニング対象疾患なので、宮城県で出生した新生児でこのスクリーニングの陽性者は、ほとんど東北大学病院で診療しています。低身 長症や思春期発来の異常、バセドウ病、糖尿病などは、東北大学病院の他、仙台市立病院、JR 仙台病院、仙台医療センターでも診療しています。骨 系統疾患は東北大学病院、仙台市立病院で専門的な治療・診断を行っています。性分化疾患は、宮城県立こども病院の泌尿器科と連携して DSD チー ムを作って診療に当たっています。様々な遺伝性疾患の診断や臨床研究は、国立成育医療研究センターや全国の大学と連携して最新の情報を患者さ んにお届けできるような体制が整っております。 グループのアピールポイント 先天代謝異常は東北大学小児科として伝統のある分野のひとつであり、国内のみならず世界的にも認知されているグループです。先天代 謝異常という分野は小児科特有のものですので、臨床医としての専門性を発揮できるだけでなく、臨床の基本から最先端の研究まで幅広 く関わる Physician-Scientist も目指すことができる、幅広い選択肢があります。 研究内容や診療における取り組みなど 患者さんの症状や経過を丁寧に評価し、病態が従来の理解と異なる点がないかをよく考えるように心がけています。病態が予想や典型的 でないときには、遺伝子検査で病因の検索を行い、治療法を症状にあわせて調整することで、患者さんにとって最善の医療が提供できる ように心がけています。研究面では、内分泌疾患、骨系統疾患、低身長などの患者さんの遺伝学的解析(全ゲノムシークエンス、アレイ CGH、MLPAなど)を行っているほか、先天性甲状腺機能低下症の新規病型の表現型スペクトラムの解明、家族性高コレステロール血症 の遺伝学的病因の解明、自己免疫性脳炎とオーバラップする病的肥満症の新規治療法の検討などを行っています。 サブスペシャリティの専門医、認定医 日本内分泌学会専門医・指導医 日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医・指導医 日本糖尿病学会糖尿病専門医・指導医 特定分野研修の概要 ①成長障害の評価と診断、治療 ・成長曲線の記載、成長ホルモン分泌試験(負荷試験)見学 ・成長ホルモン治療の演習 ②思春期レベルの評価、思春期異常を来す疾患の理解、腹部エコーによる子宮卵巣の超音波検査 ③ 1 型糖尿病、2 型糖尿病の診療の実際 ④ 様々な先天性症候群、骨系統疾患患者の診察(例:Turner症候群、Noonan症候群、Charge症候群、Silver-Russel症候群、軟骨無形成症など) ⑤甲状腺疾患患者の診察、検査所見の解釈、甲状腺超音波検査 研究内容や診療における取り組みなど 分子や疾患といった単位で研究のフレームを決めるのではなく、臨床で患者さんから学んだ課題や気づきを研究テーマにしています。つ まり、研究のための研究ではなく、目の前の患者さんに将来的に還元することを見据えた研究です。一般的なアプローチでは原因がわか らなかった患者さんに対して、最先端の遺伝子解析技術を用いて診断を付ける、自宅で簡単に定期検査ができるような医療機器を開発す るなど、アンメット・メディカル・ニーズに対して積極的に取り組んでいます。最近は遺伝子改変技術などを用いた新しい治療法の開発 研究にも注力しており、研究テーマは尽きません。興味があれば、見学したり参加したり論文を書いたりすることも可能です。また、週 1 回は学内のメンバーで、月1回は学外のメンバーも交えて情報共有をしています。超希少疾患ばかりである先天代謝異常の分野では、ひ とつひとつの経験はとても貴重ですので、皆で共有してお互いに高め合うようにしています。 サブスペシャリティの専門医、認定医 臨床遺伝専門医 特定分野研修の概要 病棟に入院されている患者さんの診療が中心です。先天代謝異常症の分野では、病歴や身体所見などで各臓器の病態にアプローチするだけ ではなく、遺伝子や代謝物といったミクロレベルも考慮して診療内容に反映することが必要不可欠です。教科書で勉強しても理解するのが 難しいという印象があるかもしれませんが、病態はとてもシンプルであることが多く、実際に患者さんの生活習慣や身体所見を知ることで 理解が容易になります。研修される方には先天代謝異常症への理解を深めるサポートをします。ぜひ一緒に患者さんやご家族に寄り添って くださると嬉しいです。外来診療に関わることも可能です。マススクリーニングで陽性になったお子さんやご家族が受診される場合や、定 期通院されている方のフォローアップなど、病棟での診療とはまた違った経験ができます。市中病院においても必要なスキルである先天代 謝異常症の患者さんの体調不良時や、急性発作時の初期対応についても学ぶことができます。希望される場合は事前にご相談ください。なお、 主に病棟では内分泌グループや腎臓グループと一緒に診療していますので、先天代謝異常症に限らず研修することが可能です。 〇主な学会 ・日本小児科学会 ・日本内分泌学会 ・日本小児内分泌学会 ・日本骨代謝学会 ・日本糖尿病学会 ・日本マススクリーニング学会 ・日本人類遺伝学会 ・米国内分泌学会 ・米国骨代謝学会 〇主な学会 ・日本先天代謝異常学会 ・日本人類遺伝学会 ・日本マススクリーニング学会 ・ヨーロッパ先天代謝異常学会 ・アメリカ人類遺伝学会 特定分野研修 03 特定分野研修 04 30 31

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