01 02 八戸市立市民病院 研修連携病院 01 青森県八戸市田向3丁目1-1 0178-72-5111(代表) 担当者 金城 学 岩手県立中央病院 研修連携病院 02 岩手県盛岡市上田 1 丁目 4-1 019-653-1151(代表) 担当者 西野 美奈子 八戸や周辺の三沢市、十和田市、岩手県北部の一部を医 療圏とした小児拠点病院として診療にあたっています。 八戸市立市民病院は、八戸市のほぼ中央の閑静な住宅地 に位置し、すぐ近くを市民の憩いの場である新井田川が 流れています。医療圏としては八戸市および近郊の三沢 市、十和田市はもちろん、岩手県北部も含まれ、病院と しても救急医療と周産期医療を最重点課題としてとりあ げています。また、八戸地区における小児医療の拠点整 備のため、大学間の垣根を超えて当院が地域の小児医療 の拠点病院として役割を果たしていくことが期待され、 集約化が進行中です。 当院の病床数は 628 床で青森県内では比較的規模の大き な病院です。医師数は研修医を含めると 170 名程度で、 東北大学、弘前大学、秋田大学が主な派遣元となっています。研修医はフルマッチだと 19 名で、年によって多少の差は ありますが過去 10 年間で定数割れはほとんどありませんでした。数年前に院内保育園も整備され、女性医師や病院職員 にも大変好評です。 小児科常勤は現在 8 名で、毎年数名の入れ替えがあります。週半ばに弘前大学から応援医師を派遣していただき、何と か小児科医師の 24 時間当直待機体制を維持しています。 当科の朝は 8 時から NICU +産科との申し送りで始まり、その後、一般小児科の朝カンファを時間をかけて行っています。 朝カンファは若い先生方のプレゼンの練習の場でもあり、立場の上下関係なく意見を言いあえる状況を目標にしていま す。当科は、一般病棟、NICU、二つの周産期病棟という 4 つの病棟に関与していて、朝カンファが終わるとそれぞれの 業務に散っていきます。 当科の特徴の一つに新生児関連の業務の多さがあります。当院は県南地方の新生児関連の唯一の拠点病院となっており、 年間出生数は 1000 件程度です。集約化と重症例の集中により帝王切開例も多く、予定帝王切開なのに時間外すれすれと いうのが日常化しているのが悩みの種となっています。写真の左側の建物が新周産期センターとなっており、新生児専 門医を中心に若い先生方みなさんで新生児診療を行っていますが、マンパワーが足りないのも事実です。一般小児科に 関しては、小児疾患の各領域に対応できる状況ですが、比較的手薄である腎疾患と内分泌疾患に関しては弘前大学と東 北大学より定期的に専門の先生を派遣していただいています。その他令和元年度より、3 か月という短期間ではあります が、国立成育医療研究センターとの交換研修が開始され、地域に閉じこもりがちだった若い小児科医の励みになってい ます。研修連携病院としては他の施設より距離的には遠いのですが、仙台から新幹線で 80 分程度ですので、お気軽にお 越しいただければ幸いです。 広い岩手県の中心部である盛岡広域医療圏の「砦」として、小児内科 全般に広く通じ、急性期疾患を中心に慢性疾患にも対応しています。 【小児科の紹介】 当院は診療科の数が 29 と多く、医師数は 200 名を越え、急性期病院 としての総合力は申し分ありません。病院全体としての病床数は 685 床で、そのうち小児科としての病床数は 22 床です。2023 年度の小児 科外来患者数は9635人、紹介患者数は676人、時間外患者数は1882人、 救急車搬送数は 145 人で、新入院患者数は 770 人、平均在院日数は 4.9 日、新入院患者に占める救急からの入院患者は 64%でした。小児救急 の特徴としては「小児輪番」システムがあり、盛岡市内の3つの病院が輪番制で夜間休日の二次救急を断らずに対応 するもので、当院はその中心的病院として大きな役割を果たしています。呼吸器感染症、消化管感染症、アレルギー 疾患、痙攣、川崎病、不明熱等急性期疾患が入院の大半を占めます。小児神経外来は東北医科薬科大学から毎週てん かん専門医の先生を派遣していただいています。病児新生児は在胎 31 週以上を受け入れ基準にしています。年間分 娩数(2022 年度)は 355 件でした。小児科医師数は年度によって若干変わりますが、7〜8名です。血漿交換や脳 低温療法、心不全等の重症小児患者については岩手医科大学付属病院へ搬送しています。県庁所在地の公立病院であ り、背景の複雑な妊産婦さんが多いため、生まれてきた子が健やかに育っているかどうか定期的に見守り、必要であ れば自治体や児童相談所と情報共有しています。 小児外科常勤医が 2 名いるため、協力して診断治療を進めることができます。整形外科・泌尿器科・耳鼻科・眼科・ 皮膚科・形成外科等、他の外科系の小児対応にも協力しています。東北大系列の診療科と岩手医大系列の診療科とは 約半々で、各大学のやり方をベースにしつつ U ターン医師や I ターン医師が混ざることで、自己の慣習を決して常識 と信じ込まず、学会ガイドラインや国内外の最新知見に基づいて診療を進め、切磋琢磨しています。小児科のプライ マリ研修として必要十分な症例を経験できると思います。 【専門研修の紹介】 common diseaseを中心に、新生児医療や予防接種・乳児健診、腎臓・内分泌疾患、急性脳症などさまざまな領域 の診療を担当していただきます。入院患者対応は2チーム制です。病棟カンファレンスと新生児カンファレンスが毎 週あります。時間外労働の上限について小児科は A 水準を適用しており、当直明けの午後はできるだけ帰宅を促す雰 囲気になっています。日本小児科学会の地方会は宮城と岩手の両方に参加できます。学会旅費は限度がありますが支 給されます。小児科専門医試験受験に必要な論文の投稿先雑誌として、岩手県立病院医学会雑誌が恒例になりつつあ ります。 【メッセージ】 ニューヨーク・タイムズ紙「2023 年に行くべき 52 カ所」に盛岡市が選ばれ、たくさんの旅行客が訪れ注目されてい ます。当院は地域病院としての役割と中枢病院としての責任があり、大変ですが誇りでもあります。必ず実のある研 修になるはずです。一緒にこどもたちを支えていきましょう。 18 19
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