臨床の概要
当グループでは、てんかん、精神運動発達遅滞、変性疾患、神経筋疾患、脳炎・脳症などの小児神経疾患全般や、自閉スペクトラム症・学習障害・注意欠如多動性障害などの発達障害に対し、小児神経科専門医などそれぞれを専門とする担当医が、精力的な診療を行っております。ビデオ脳波モニタリング室を病棟に備えており、てんかんの発作像や発作時脳波について深い理解が得られます。また、MRI、SPECT、PET、MEGなどの神経機能画像検査を基に、薬物抵抗性の難治てんかん患者の外科的治療も含めた検討を行っており、県外からの症例紹介も多くあります。発達支援外来には多くの患者さんが通っており、各種の知能検査やペアレントトレーニングも行っています。脳波判読会、抄読会、てんかん科などと合同の東北大学てんかんカンファレンスなどが定期的にあり、症例の充分な検討と議論を行っています。また、東北小児神経学研究会(四季会)を主催し、東北地方の小児神経科医との懇親や、発表を通しての研鑽の場となっています。当院は小児神経科専門医の研修指定病院であり、5年後に小児神経科専門医試験の受験資格が得られます。てんかん専門医の研修指定施設でもあります。
研究の概要
主な研究テーマ
(1) てんかんのNeuroimaging、高周波数脳波解析
(2) 髄鞘化障害関連遺伝子に関する研究
(3) メディアの小児への影響に関する研究
(4) 発達障害、脳変性疾患に関する臨床、遺伝学的研究
 神経グループは「臨床をすればするほど論文ができる」という姿勢を大切にしております。症例の病態を深く考察し、検査や研究を行うことで新たな知見が得られ、論文につながっていきます。毎年多数の英文論文が神経グループから発表されています。
主な参加学会
日本小児神経学会日本小児科学会日本てんかん学会日本臨床神経生理学会
日本先天代謝異常学会、国際小児神経学会、アジア・オセアニア小児神経学会、
アメリカてんかん学会
メンバー構成
●菊池 敦生 (教授、H14年卒、日本小児科学会専門医、小児神経専門医)
●植松 貢 (准教授、H6年卒、日本小児科学会専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)
●植松 有里佳 (助教、H17年卒、日本小児科学会専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)
●小林 朋子 (東北メディカル・メガバンク機構 准教授、H9年卒、日本小児科学会専門医、小児神経専門医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医)
●及川 善嗣 (助教、H21年卒、日本小児科学会専門医、小児神経専門医)
●久保 かほり (医員、H23年卒、日本小児科学会専門医)
●渋谷 守栄 (医員、H24年卒)
●宇根岡 紗希 (医員、H28年卒、日本小児科学会専門医)
●後藤 悠輔 (大学院生、H27年卒、日本小児科学会専門医)
●西條 直也 (大学院生、H26年卒、日本小児科学会専門医)
 
●萩野谷 和裕 (非常勤講師、宮城県立こども病院、S56年卒、日本小児科学会専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)
●竹澤 祐介 (アイオワ大学留学中、H20年卒、日本小児科学会専門医、小児神経専門医)
入局してこられるかたに望むこと
小児の発達をみる小児科らしいグループです。小児てんかんや発達障害などは患者数も非常に多く地域での需要も高いです。また原因や治療が分かっていない病気がたくさんあるため、身近な患者の臨床と研究がとても近い関係にあり、大学病院ではとても充実した勉強ができます。脳波も読めるようになりますし、小児神経専門医取得のために宮城県立こども病院とローテートで研修を行い十分な症例経験を積むことができます。是非一緒に楽しく勉強しましょう。